ITO Thailand Hygiene Blog

Jan 31 2022

機能性食品

            消費者がますます健康増進食品を必要としている現代では、高齢化社会も相まって、リスクを減らす、あるいは出始めた症状が進行しないよう維持するなど、健康維持のニーズが高まり、機能性食品がこうしたニーズに応えています。これこそが、市場において、事業者の製品を他の製品と差異化し、付加価値を与えて市場での競争を可能にする長所であり、事業者にとって興味深い選択肢の一つとなっているのです。

            機能性食品は、消費者の関心に応じた幅広いソースを有しています。一般の消費者は主に、体の働きが良くなる、病気のリスクを軽減する、病気の症状を緩和するなど、体の様々なシステムに対する機能を持つ食品に興味を持っています。

            消化器系に特化した機能性食品は、食物繊維 Dietary fiber、プロバイオティクス(Probiotics)、プレバイオティクス(Prebiotics)です。 食物繊維は、難消化性炭水化物で、消化器系と排泄に効果があり、水溶性と不溶性の2つのグループに分けることができます。水溶性のグループは、組織内の水を運ぶことができ、ペクチン、ガム、一部ヘミセルロースなどのゲル状または柔らかい粘液なので、血中への糖の侵入を阻害し遅らせ、食品中のコレステロールの体内への吸収を減少させることができます。

            セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの不溶性食物繊維は、便量を増加させ、排泄を改善、消化器系や腸を動かし、正常に活動するようにしてくれます1。プロバイオティクスは、生きた微生物であり、体内の消化液では消化できない食物の消化を助ける、栄養素、ビタミン、酵素を生成する、膨満感を軽減する、腸のバランスをとる、腸内の悪玉菌の数を減らす、腸内および消化器系の細菌感染リスクを減らす、体の免疫機能を高める など2、体にとって善玉菌です。プロバイオティクス製品は、顆粒や飲用粉末のサプリ メントの形で、または発酵過程(fermentation)を含む食品として存在し、乳酸菌飲料、ヨーグルト、キムチ、納豆、味噌など、微生物菌を死滅させることなく、成分としてパッケージ化されています。

            プレバイオティクスは、人体が消化できない短鎖炭水化物で、食物繊維の一部ではあるものの、大腸のプロバイオティクスにより消化することができるため、微生物のエサとなり、善玉菌を成長させ、体に有益な物質の合成する前駆体であるという点で、特別なグループとなります。プレバイオティクスの分類基準は、

1.哺乳類の消化器系の酸や酵素の消化に対する耐性 

2.消化器系内の微生物により十分な発酵が可能 

3. 善玉菌の成長および/または有益な物質の生成の促進です[3]。プレバイオティクスの例としては、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、イヌリンが挙げられます。 

            心臓血管系については、今日の主要な死因の一つであることから、多くの注目を 集めるもう一つの機能となっています。この機能性食品は、食物繊維、 植物ステロール(phytosterol)(植物に見られるコレステロール様物質)、オレイン酸(oleic acid)、不飽和脂肪酸(unsaturated fatty acid)、抗酸化物質(antioxidant)、植物化学物質(phytochemicals、生物活性ペプチド(bioactive peptide)[4]などで、これらの物質には、血中コレステロールの低下、悪玉コレステロールの酸化の抑制、トリグリセリドの減少、血圧の低下、細胞機能の促進、内皮細胞の働きの促進、血管の裂けた部分を埋める効果が ある血小板の付着の促進など、異なる作用機序があります[5]

            栄養の促進以外には、糖尿病や肥満の人々のための低GI食品など、オーダーメイド食品(tailor-made food)と呼ばれる、特定のニーズを持つ人のための機能食品もあります。炭水化物部分を改善し体内の酵素をより消化しにくくするので、満腹感が長時間持続し、血糖の変動を減少させます。[続きは、代替炭水化物にてご覧いただけます

            体重管理をする人については、満腹感が持続するだけでなく、食物繊維が増え、追加燃焼を促す可能性があります。慢性腎臓病患者のための食品は、患者が食事制限を受ける場合は多いため、タンパク質と塩分の摂取量の管理に加え、高カロリーであることが求められます。これは、同じように十分なカロリーかつ栄養を与える以外に、硬過ぎず粘り気もあり過ぎず、のどに詰まらせることなく噛んで飲み込める食感も考慮しなければならない、高齢者用の食事も同じです。アスリートについては、多くのエネルギーを消費し、筋肉を強化するためにタンパク質を必要とするため、高カロリーを必要とするグループであり、この消費者グループのニーズを満たすために、高タンパク質の食事または新しいタンパク源が開発されています。[続きは、代替タンパク質にてご覧いただけます

参考文献:

1. https://www.webmd.com/diet/features/insoluble-soluble-fiber

2.Soccol, C. R., Vandenberghe, L. P. D. S., Spier, M. R., Medeiros, A. B. P., Yamaguishi, C. T., Lindner, J. D. D., … & Thomaz-Soccol, V. (2010). The potential of probiotics: a review. Food Technology and Biotechnology48(4), 413-434.

3.Al-Sheraji, S. H., Ismail, A., Manap, M. Y., Mustafa, S., Yusof, R. M., & Hassan, F. A. (2013). Prebiotics as functional foods: A review. Journal of functional foods5(4), 1542-1553.

4.Koutelidakis, A., & Dimou, C. (2016). The effects of functional food and bioactive compounds on biomarkers of cardiovascular diseases. Functional Foods Text Book, 1st ed.; Martirosyan, D., Ed, 89-117.

5.Asgary, S., Rastqar, A., & Keshvari, M. (2018). Functional food and cardiovascular disease prevention and treatment: a review. Journal of the American College of Nutrition37(5), 429-455.

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