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食品工場内の衣服:成功の裏にある重要性
GMPまたはGHP規格に準拠した基本的な服装には、類似した内容、つまり、作業員による汚染を防ぐ目的が求められています。例えば、毛髪の混入を防ぐヘアキャップ、顔の毛、唾液、呼吸のほこりの混入を防ぐマスク、ボタンや汚染リスク部分がなく、上半身または胸より高い位置にポケットのない(ポケットの中のものが、製造工程中に落ちる可能性があるため)長袖シャツと長ズボン、エプロン、手袋などで、靴は製造工程エリアに合わせて履き替え、外部からの汚染を防ぎます。指定区域外では製造部門の衣服は着用せず、原材料ゾーン、包装ゾーン、アレルゲンゾーンなどリスクレベルに応じてエリア分けを定めるべきです。
衣服の色や特徴は異なるよう定め、従業員が混合しているか否かを監督者が観察できるようにします。交差汚染は防止することが可能であり、ロッカー、更衣室など従業員数に対し十分な施設を提供し、衣服の損傷状態を確認すると共に、必要であれば、ローラー、毛髪吸入機、長靴の洗浄・消毒装置などその他追加措置を講じるのは、事業者の責任です。
衣服の追加詳細については、食品や製造工程の詳細が異なるため、規格では明確に定義されていない、つまり、各組織の適性に応じていると言えます。しかし、米国の国際 食品安全研究所(Food Safety Institute:FSI) [1]のDr. Baroudiバルーディ博士は、服装は、食品工場のHACCPシステムの一部であるべきだと示唆し、業界の服装について、以下の提言を行っています。
– 衣服の素材とデザインは、適切、かつ耐久性があり、糸くずの出ない、ほこりをためない生地で、ボタンや外れやすい部品はないものでなければならず、洗濯しづらく、汚染物質が蓄積する可能性があるため、ポケットがないものであるべきである。
– 衣服は、シフト開始時に清潔でなければならず、汚れた場合あるいは適宜、交換する必要がある。
– 摂氏71度以上のお湯を使用し25分間使用するという物理的な方法と、洗剤や石鹸などの化学物質を使用して汚れや微生物を除去し、50〜150ppmの塩素系漂白剤を使用して漂白・消毒を行うなどの化学的方法により、衣服をクリーニングする際、効果的に微生物菌の洗浄と消毒を行う。そして最終段階では、弱酸を加え洗浄剤を迅速に中和することで、微生物からの保護に効果がある。
– 熱乾燥は微生物防止に効果がある。
衣服のクリーニングの工程は、整然と段階を踏んで行わなければなりません。まずは衣服の種類、汚れのレベルを分類することから始め、しみや汚れを予備洗いし、布を浸して、界面活性剤で洗浄し、界面活性剤を洗い流しま(必要に応じ、消毒剤を使用する工程を追加することもある)その後、干しまたは熱風乾燥により乾かします。クリーニングスタイルは単一方向に行わなければならず、汚染を防ぐために清潔な衣服と汚れた衣服を混合することはありません。
今日、日本など海外で見られる、産業用クリーニングサービスでは、場所やクリーニング機器を提供して組織の負担を軽減してくれるのみならず、クリーニングに関心がない作業員個人に責任を負わせて外部からの汚染の可能性が増すより、しっかり効果的にクリーニングを行うことができます。米国の調査では[2]、家庭での衣服の洗濯について、組織の規定を遵守させるのは難しいことが分かっています。というのも、服を1日着ただけの従業員は、一日中懸命に働いてきた、時には残業をしてきたため、1日分の衣服の洗濯にお金や労力を費やすのは割が合わないと、毎日は洗濯せず、週に1回ほど、時には、どうせ同じ服だからと、同じ服を繰り返し着ることもあるからです。これ以外では、家庭の事情(一人 暮らし、家族と同居、家族に子どもや高齢者がいるなど)や、従業員の経済的要因もまた、従業員の清潔な衣服の維持管理に影響を与えます。十分な収入を得ていない従業員や借金の問題を抱える従業員が、毎日の勤務で着用するのに十分な、清潔な衣服を用意できない可能性があるにもかかわらず、クリーニングの費用を負担する必要があることから、時には、クリーニングを適当にやり過ごし、工場の製造部門に十分清潔ではない衣服を着て入ることもあります。こうした問題は、組織内の役員や意思決定者によって見落とされることが多々あり、特にタイでは、従業員に、自らの衣服への責任を持たせる傾向にあるため、特に製造部門に数百人の従業員を抱える組織で、そうした衣服からの汚染の問題が生じているのです。
こうした弱点の克服は、従業員の衣服が常に基準を維持するよう、衣服のクリーニングを一括で行い、直接責任を負う従業員を配置することで可能となるかもしれません。その際、洗濯機、アイロンは、生地上の病原菌を加熱消毒し、大量の生地重量に使用可能な産業レベルであるべきです。
衣服に加え、製造部門で使用される靴(通常は防水ゴム長靴)も、清潔と消毒の重視が必要な一つです。外部用の靴と分け、製造エリア外に持ち出さないようにし、作業開始時取り出す前に洗浄して干し、作業前はさらに、消毒液槽に浸す、自動洗浄・消毒機を使用する、防塵粘着マットを歩いて通るなど、追加の洗浄を行うべきです。
一般の人が見落としがちな点であっても、細部にこだわる、それこそが私たちイトウタイランドが大切にしてきた、成功の鍵の一つです。タイの食品産業の食品安全基準を引き上げ、国際取引市場での競争が可能となるよう、万全のサポートをさせていただきます。
References
1.Baroudi, A. (2007). A Uniform Approach to HACCP. TEXTILE RENTAL, 90(8), 64.
2.Clayton, M. L., Clegg Smith, K., Neff, R. A., Pollack, K. M., & Ensminger, M. (2015). Listening to food workers: Factors that impact proper health and hygiene practice in food service. International journal of occupational and environmental health, 21(4), 314-327.
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