ITO Thailand Hygiene Blog

Mar 14 2022

Plant-based food

            Plant-based foodつまり植物性食品とは、全て植物由来の成分を使用して製造された食品のことで、食品又は飲料のどちらにも使えます(1) 。私たちが最もよく耳にする聞き慣れたものとしては、Plant-based meat(代替肉)がありますが、これは、全て植物由来の成分を使用して製造された食肉のことで、食品の香りや色、味、食感が食肉に近いものとなるよう開発・添加する革新技術を用いて製造されたものです。それにより、消費者がベジタリアンやビーガンといった菜食主義に転換しやすくなっています。

            一般に、代替肉は、健康食品のイメージがあり、肉食を避けるベジタリアンの間で人気があります。ベジタリアンは、乳、卵、蜂蜜などの動物由来の加工食品は摂取してもよいので、動物由来の加工食品も含む肉食を避けるビーガンとは異なります。

            実際には、健康上、一般の食品より植物性食品の方が身体にとって価値が高いか低いかを証明できる明確なものはありません。そのためには、どの程度の味付けをしたか検討する必要があるからです。たとえば、代替肉でも、多量のナトリウムで味付けをすることがあるからです。ナトリウムは多くの場合、食品産業において塩という形で一般によく使われる、役に立つものです。特に、食品加工工程で多く使用されます。ナトリウムの役割には、味をまろやかにし、保存できる期間を延ばし、微生物の成長を防ぎ、食感を良くすることなどがあります(2) 。

            しかしながら、ナトリウムを多く摂取し過ぎることは、高血圧と重要な関係があります3。これは心臓病や脳卒中(stroke)の大きな原因となるものですので、タイ国の食品基準を管理し、規制を発する機関である食品・医薬品委員会事務局(Food and Drug Administration : FDA)が監視・管理する必要があります。FDAでは、6歳以上のタイ人について、ナトリウムの推奨される1日の摂取量(Thai RDI: Recommend Daily Intake)をこれまでの1日2,400ミリグラム以下から低減させた1日2,000ミリグラム以下と定めています(3) 。ナトリウムには、上に述べた通りの健康問題に影響するため、徐々に低減させていく傾向が見られています。但し、この数値は、身体の物理的状態によって変わりますので、外国の食品関連法では異なっている場合もあり、たとえばアメリカ合衆国のDietary Guidelines for Americans, 2020-2025では1日2,300ミリグラム以下と推奨されています(4) 。

            Plant-based meatだけでなく、他にも興味深い製品は多くあります。たとえば、オーストラリアには、Nestlé社が2021年5月に発売を開始したPlant based condensed milk alternative(植物性代替コンデンスミルク)(5)  があります。この製品の主成分は米粉(rice flour)と麦粉(oat flour)で、通常のコンデンスミルクへの代用に適しており、菓子やパン、アイスクリームに使うことができます。主に、全ての種類の肉食をしないビーガンの人をマーケティングの対象としていますが、乳製品アレルギーがあったり乳糖不耐症(lactose intolerance)    だったりする消費者も不安なく摂取することができます。

            ですが、タイ国における代替肉の市場価格を調査したところ、現時点(2022年1月)では、通常の食肉より価格が高めのため、消費者は代替肉に転換するという決断がしにくいようです。外国では、市場価格が近似しているので、消費者が試しやすく、決断もしやすくなっています。

            筆者の個人的な感想ですが、代替肉を試しに食べてみたところ、かなり食肉と似ている感じはありましたが、味や香り、食感に多少の違いは感じられました。現在、代替肉と本物の肉との溝を埋めるため、世界の研究者が必死に開発に取り組んでいる途中であり、近い将来には食品の飛躍的革新が起こって区別ができなくなる日も来るかもしれません。

            現在、ベジタリアンやビーガン主義の風潮や、食品の革新技術により、継続的な開発が行われていますが、食品業界にとっても、製造者による代替食品の考案・開発推進という良い影響を与えることとなっています。また、あらゆる消費者集団に平等に機会を提供できるようにもなっています。但し、1種類の食品ばかりを多量に摂取し過ぎると、良い影響より悪影響の方が大きくなってしまいますので、様々な食品を適量だけ摂取するようにし、常に栄養価を考慮し、運動も欠かさないようにして健康を維持することが必要です。

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References

1.National Heart Foundation of Australia. What is plant-based eating [Internet]. [cited 27 Jan 2022]. Available from https://www.heartfoundation.org.au/heart-health-education/what-is-plant-based-eating

2.Center for Disease Control and Prevention. The Role of Sodium in Your Food [Internet]. 2020 [cited 27 Jan 2022]. Available from https://www.cdc.gov/salt/role_of_sodium.htm

3.Center for Disease Control and Prevention. Sodium [Internet]. 2021 [cited 27 Jan 2022]. Available from https://www.cdc.gov/heartdisease/sodium.htm

4.Ministry of Public Health. Announcement of the Food and Drug Administration: Clarifications to the Announcement of the Ministry of Public Health (No. 392) 2018 issued under The Food Act 1979 Nutrition Label ( 3). The Food Act 1979. (Dated 12 November 2018).

5.Nestlé Australia. Nestlé unveils sweet new ingredient for vegan bakers [Internet]. 2021 [cited 27 Jan 2022]. Available from https://www.nestle.com.au/en/media/new-ingredient-vegan-bakers

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