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リスクエリアの規定 / Area risk assessment
製造のためのオープンエリア:
食品が原材料の形態であるか、加工中であるか、又は製品の形態であるかにかかわらず、食品そのものが環境によるリスクを防止されておらず(卵や豆など、自然の皮・殻がある製品も含む [2])、環境中の汚れ、アレルゲン、微生物などで食品が汚染される可能性があるエリアをいいます(たとえば、病原菌による食中毒のリスク要因である微生物の汚染があり、消費期限前に製品が劣化するなど。評価しなければならないリスクレベルとは、病原体であり、食品を劣化させる微生物の汚染リスクをいう。また、汚染微生物の成長及び生存の可能性も含む)。リスクレベルに基づくエリアの分割は、以下のように行うことができます。
高リスクエリア(high risk)
高リスクエリアは、冷蔵・冷凍の温度で保管する製品についての特定エリアとなります。低温保管されている製品は環境に対して脆弱です。たとえば、不適切な温度下では腐りやすくなりますし、微生物が成長しやすい状(適切なpH値、湿度、栄養があるなど)となりますので、低温で保管するようにして微生物の繁殖によく気をつけなければなりません。この群の食品は食の安全が確保されない事態が起こりやすいため、BRC規格では、この群の食品の製造エリアが環境に対してオープンになっている場合(閉鎖された管や容器の中にない、閉鎖式でない)の基準を定めています(最終的な製品は冷蔵又は冷凍保管しなければならない、成分は摂氏70度以上で2分間、又は、同等の加熱をしてからこのエリアに投入しなければならない、保管又は使用中に病原菌成長のリスクのある製品、及び、再調理がされないインスタント食品)。製造エリアは高リスクエリアとなり、高度の衛生実現のため、エリアを物理的に分離し、病原菌の汚染を防止しなければなりません。また、このエリア内の汚染は厳しく防止しなければなりません(エリアに入る前に着替えて靴を履き替える。所定の着衣に変える。尚、高リスクエリア及び高度監視エリア内の着衣は、必ず基準を満たした会社が洗濯したものであるか、又は、工場内で洗濯したものでなければならない。洗濯プロセスは評価をしなければならない。低リスクエリアでは、洗濯の基準は定めない)。また、効率的な汚染防止策がなければなりません。この群の製品の例としては、冷蔵 / 冷凍弁当などがあります。
高度監視エリア(high care): 最終的な製品の性質に応じ、以下の通り分類することができます。
-冷蔵及び冷凍の温度下で保管される製品の高度監視エリア: 高リスクエリアと近似した衛生管理の必要なエリアとなります。高リスクエリアとの相違点は、このエリアでは、目的が病原体となる微生物の汚染の「可能性を低減する」ということですが、高リスクエリアでは中心が病原体となる微生物の食品への汚染を「防止する」ことで、物理的にエリアを分離しなければならないということです。高度監視エリアでは、高度な衛生管理のみを定めており、物理的なエリアの分離は義務付けられていません(但し、分離を推奨)。出入口のレイアウトを定め、汚染の可能性を最大限に低減し、効率的な汚染防止策を保有するようにします。このエリアの食品は、高リスクの食品と近似しています。すなわち、低温保存食品、食べる前に再調理をしない(加熱を除く)、微生物の成長リスクのある食品の状態となります。但し、最初の群の製品との違いは、エリア投入前の加熱殺菌の規定がない食品だということです。菌を規定量内に収めるためのその他の滅菌は行い(洗浄、化学物質の使用など)、微生物の量が容認できるレベルになるようにします。たとえば、すぐに食べられるサラダなどです。
-室温保管される製品の高度監視エリア: 室温保管できる製品(摂氏5度を超える)は、環境に対して比較的安定性のある製品ですが、そのまま食べられる製品や加熱して食べる製品で、再度、高温加熱をしない場合、及び、病原菌の成長に適した状態の食品の場合、病原菌の汚染リスクのある原材料(生乳を原料とする粉ミルクなど)の場合は、エリア内で汚染の監視をしなければなりません。したがって、このエリアは、高リスクエリアほど厳しくないとはいえ、衛生に関してきちんとした配慮をする必要があります。
低リスクエリア(low risk)
次の別工程で高温加熱する食品、密閉容器内で加熱された食品、自然の状態で微生物の成長に適していない食品(高い酸性など)の場合は、低リスクエリアとなります。これは、上に述べた他のエリアより低い衛生管理をするエリアとなりますが、異物やアレルゲンの混入には同様に注意しなければなりません。また、同様に適正な行動が必要となります。
閉鎖エリア: たとえば、包装された製品の商品倉庫、管などの閉鎖式の設備内又は無菌設備内の製品の工程。
その他のエリア: 製造以外。たとえば、事務所、食堂など。
エリア評価については、BRC規格では、決断をサポートするためのフローチャートを提示しています。これは、製品の性質ならびに評価の必要なエリアの性質を評価するものです。まとめると、以下の例のようになります。
1.最終的な製品の性質について、保管の性質はどのようなものか。
a.室温保管(第6項に進む)。
b.冷蔵又は冷凍保管(第2項に進む)。
2.評価するエリアの原材料又は製品は、環境と接触するか。
a.接触する(第3項に進む)。
b.接触しない(管、密閉容器内)。= このエリアは閉鎖エリアと評価。
3.製品は、保管時の状態で、又は、冷蔵又は冷凍しない時、病原菌となる微生物の成長又は生存に適しているか(pH値、遊離水量)。
a.適している(第4項に進む)。
b.適していない。= このエリアは低リスクエリアと評価。
4.評価するエリアの製品は、食べる前に必ず加熱調理をするものか。
a.する。= このエリアは低リスクエリアと評価。
b.しない(第5項に進む)。
5.エリア投入前の製品は、摂氏70度以上・2分以上(又はこれと同等)の処理をするか。
a.する。= このエリアは、冷蔵及び冷凍の温度下で保管される製品の高リスクエリアと評価。
b.しない。= このエリアは、冷蔵及び冷凍の温度下で保管される製品の高度監視エリアと評価。
6.評価するエリアの原材料又は製品は、環境と接触するか。
a.接触する(第7項に進む)。
b.接触しない(管、密閉容器内)。= このエリアは閉鎖エリアと評価。
7.評価するエリアの製品は、食べる前に必ず加熱調理をするものか。
a.する。= このエリアは低リスクエリアと評価。
b.しない(第8項に進む)。
8.製品は、通常の保管時の状態で、病原菌となる微生物の成長又は生存に適しておらず(pH値、遊離水量)、製品の自然の状態で病原菌となる微生物の成長又は毒性を防止できるものか。
a.防止できる。= このエリアは低リスクエリアと評価。
b.防止できない(第9項に進む)。
9.原材料は、病原菌となる微生物の汚染源となるものであるか。また、食品製造工程に滅菌工程があるか。
a.ある。= このエリアは、室温保管される製品の高リスクエリアと評価。
b.ない。= このエリアは低リスクエリアと評価。
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Reference
1.2018. Global Standards Food Safety issue 8
2.Kill R,.2012.The BRC Global Standard for Food Safety: A Guide to a Successful Audit (2nd edition). Wiley-Blackwell
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