ITO Thailand Hygiene Blog

Apr 04 2022

高速ドア: テクノロジーによる汚染防止

            外部と接続する入口ドアに適した性質とは、齧歯類を防止できるものであることです(隙間が6ミリメートル以下であること)。また、自動閉鎖式(Self-closing)であるのが最善ですが、これが無理な場合は、ドアにエアカーテン(air-curtain)やストリップカーテン(strip curtain)を設置して汚染リスクを低減するなど、他の方法でも助けになります。しかしながら、こうした装備での汚染防止には限界があります。たとえば、ストリップカーテンは、従業員が便利なように長時間開けっぱなしにされたり、使用しているうちに形状が劣化したりしがちなため、汚染の余地ができてしまいます。出入りしない場合は、ドアは必ずいつも閉めておかなければなりません。また、頻繁に使用する場合は、高速で開閉できるドアにして、外部からの汚染リスクを低減するべきです[1]。

            ITO(THAILAND)社の高速ドア「門番(Monban)」は、特別に設計されたモーターが使用されており、最高3.2メートル/秒の高速で開閉するドアですので、室内の空気が外の環境と接触する時間を効率的に減らすことができます。また、側面・下側とも密閉できるため、汚染をしっかり防止することができます。さらに、製品自体に様々な追加ファンクションがあります。以下の機能を高速ドアに追加設置することで、環境からの汚染をもっとよく防止できるようになります。

気密構造

            気圧の差や風力、圧力への耐性のある特殊な気密構造。日本規格協会(Japanese Standards Association: JSA)の規格JIS A 1516 (Windows and doorsets — Air permeability test)に基づく試験済み。気圧の差が10 Paまでなら最大で陽圧5.76立方メートル/時*平方メートル、陰圧8.35立方メートル/時*平方メートルに耐える構造で、無菌室、ハイリスクルームなど最高度の清潔さが必要な環境に適しています。

防虫「マジックオプトロン」

            「門番」が著作権を保有する特殊防虫シート。KOMATSU ELECTRIC INDUSTRY CO.,LTD.、TAISEI FINE CHEMICAL CO., LTD.及びIKARI SHODOKU CO.,LTD.の協力によるものです。日本国内での研究・試験により、ウンカ(Planthopper)、ヨコバイ(Leafhopper)、蛾(Moth)、ガガンボ(Crane fly)、ユスリカ(Chironomid)など、光に感応する虫に対する効果が分かっています。これは、光の波長に反応する性質を防虫に利用したもので、外側は虫の目に見える光の波長をカットできる色になっているため、虫が寄ってきません。内側のシートは虫が寄り付く色のため、虫が建物内部に侵入する可能性を減らすことができます。また、虫がすり抜けて入ってしまったり他の媒介(人、箱、原材料など)と一緒に入ってきたりした場合でも、虫がドア付近に集まるので、建物の奥には飛んでこなくなり、ドアを開ければすぐに建物外に出てくれます。試験によると、上記の種類の虫を80.7%防止することができると分かっています。これは、化学物質を使用せずに虫の混入を低減する1つの良い選択肢となります。

非接触センサー

            ドアの開閉部は、最も多く接触する部分の1つで、菌など望ましくないもので従業員の手が汚染されるリスクがあります。自動センサーを使用すれば、このリスクを減らすことができ、また、開閉の時間節約にもなります。たとえば、従業員がフォークリフトを運転して商品を運んでいる場合、従業員がセンサーに近づけばドアが自動的に開くので、従業員はフォークリフトから降りずに済みます。「門番」のセンサーシステムは赤外線システムで、センサースポット(Sensor spot)は4〜60があり、小型、中型、大型のドアに対応します。さらに、安全保証として、ドアを遮蔽するものがない時はセンサーにより自動的にドアが閉まりますので、従業員がドアに挟まれる事故も防止でき、食品と従業員の作業エリアの両方の安全上の効率が高まります。その他、同時に体温を計測したり、ドアを開く前にアルコールジェルを使用させたりするなど、他のツールとのシステムインテグレーション(Integrating system)もでき、現場に入る前の清潔の基準を高めることができます。

UV-Cシステムによる滅菌

            この度の疫病蔓延により、当社では高速ドアに設置する新ファンクションを開発しました。これは、UV-C光で微生物やウイルスの滅菌をするシステムを設置するというもので、UV-C光線がドアを出入りする作業者に影響を及ぼさないよう、入口ドアの上部にある箱に空気を吸い込ませ、波長254ナノメートルのUV-Cランプで滅菌をします。それから、滅菌済みの清潔な空気を排出します。韓国の試験所の報告によると、1時間で空気中のバクテリアを58.2%減らし、30分で空気中のウイルスを41.8%減らすことができたとされています(60平方メートルの閉鎖した室内での試験による)。

冷蔵室の汚染を防止

            冷蔵室のドアは、ストリップカーテンの付いたISOWALLドアであることが多くなっています。しかし、ISOWALLドアは非常に重く、ストリップカーテンは従業員の出入りの邪魔になってしまうため、冷蔵室の開け閉めに従業員の不注意が生じることが時々あります。特に、頻繁に出入りのある冷蔵室の場合、ドアを開けっぱなしにして使用したり、出入りしやすいようストリップカーテンをくくってしまったりすることがあります。そうしますと、冷蔵室への汚染が非常に起こりやすく、温度も保たれません。この問題を解決するためには、冷蔵室専用に設計された「門番」のドアを使用して頂きますと、ストリップカーテンの代わりにすることができ、密閉されるのでより良い汚染防止となります。最大で摂氏-25度までの低温に耐性のある資材と内部で熱を発するモーターの他、長期的にドアの開閉性能に影響を及ぼす氷のドアへの付着も防止するシステムが完備されています。

            タイの食品産業の持続的成長のため、ITOは安全な食品のあるタイ社会をサポートする一員となっていきます。

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Reference

1.Holah, J. T. (2014). Hygienic factory design for food processing. In Hygiene in Food Processing (pp. 53-90). Woodhead Publishing.

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