ITO Thailand Hygiene Blog

Jul 11 2022

現代の食品産業とコンピュータビジョンを取り入れた人工知能(AI)の役割

            昨今の食品業界において、とても多くの技術が役に立っています。生産力の増強や精度の向上、業務効率の向上、原材料や資源の損失の削減、汚染の削減、人出不足問題の削減、危険性の高い場所での作業などが挙げられます。粉塵や髪の毛吸引器や自動ブーツ洗浄機、ロボットや自動化機械などの自動技術、コンピュータビジョンを取り入れたAIによるサンプルを損傷することなく行われる物質の捕捉や分析なども挙げられます。これらは食品産業において多様な目的のために使用されています。例えば、高品質の農産物を選別する自動収穫やサイズを規定しての収穫、原材料や製品の選別やグレード分類、不純物の選別、製品品質の管理、生産、移動、梱包プロセスにおいてロボットと組み合わせた使用などです。関連する技術の例としては以下が挙げられます。

            ・カラーイメージングシステム 食品の品質を測定するために色測定の原理を用いた技術です。一般的には、果物の色から糖度や種のサイズ、重量損失、食感など様々な品質を予測します。果物の色は色素からできていますが、これら色素の変化は各種の品質の変化にも関連しているのです。チェリーやザクロ、マンゴー、オレンジ、トマト、コーヒー豆、パパイヤなど様々な種類の果物で研究が行われています。(1) サンプルに損傷を与えることなく、適切な品質を有する原材料の選別や品質検査を行うことを可能とする技術です。

            ・光学文字認識(OCR)または画像データのテキスト認識技術により、有効期限 (2)、製品におけるアレルゲンの表記 (3)、ハラル製品の表記 (4)、トレーサビリティ (5) などについて包装にきちんと表記されているか確認をすることができます。

            ・画像分析は、コンピューターシステムを用いてサンプル画像とシステムにあるデータとの分析結果を画面に表示したり、原材料のグレードやサイズの分類など自動化作業の継続のための信号の送信を行ったりします。品質管理をサポートするための製品完全性チェックの一例として挙げられるのが、食肉産業です。各肉片の重量を迅速に表示する自動重量チェッカー技術の使用に加えて、カメラと分析システムの設置により肉片のグレードを分類することもできます。更には、ロボットや自動システムに指定した箇所の肉類を分解させることすらも可能となっています。(6) この他に、衛生や個人衛生システムにおいて、カメラの設置とAIシステムの使用は、フェイスマスク (7) やヘアキャップの使用、適切な身だしなみなど生産敷地内の従業員の衛生状態を監視することにも役立ちます。

            ・ハイパースペクトルイメージング技術とは、各点における表面のスペクトルデータを収集する原理を使用して物体の特性を判定するもので、食品業界において様々な目的のために適用することが可能です。例えば、肉の表面画像からのグレード分析やプラスチック汚染の分析、包装の破損検出などが挙げられます。

           ・AIモーション認識システムとは、動きを記録し身体や関心のある物体の動きの特性を分析するシステムですが、安全食品産業に適用することが可能です。例えば、管理が難しいとされる清潔さや汚染などが悩ましい問題として挙がりがちです。従業員の手洗いなどは効率的に管理することが不可能であるとされているでしょう。英国のとあるベーカリー業界にて600人以上のサンプルを観察した報告によれば、正しい手洗い手順の指示に従うことができたのはわずか2.2%でした。(8) これより、AIが手の動きの分析に役立つのではないかとされています。手洗いの動きの特徴をコンピューターで分析するのです。アルコール消毒した手の清潔さと患者との接触のリサーチにおいてAIモーション認識技術が使用されたという報告があります。(9) 結果として、除菌剤をプッシュしたのが100%、消毒を行うために手をこすったのが83%と検知され、患者に接触したのは100%検知されました。この結果は、将来の更なる発展の可能性を示していると言えるでしょう。

            もう一つの例は、ビデオ映像とAIシステムを用いた、サービス利用者の年齢 (10) や性別  (11) などの消費者行動データの保存で、注文された食品の種類と量、消費者の出入り回数のカウントやサービス利用時間帯  (12)、列に並ぶ時間、注文通りに料理を出す時間 (10)、更には消費者の気分を示す表情  (13)の情報までをもリンクさせます。これらの消費者の習性の情報は、購買、マーケティング、新たな製品デザイン、既存品の改善、顧客の数に適切な従業員の雇用計画、その他様々な方面において分析や計画、管理を行うのに非常に有効なものとなります。

 これらの技術の食品産業への導入は、将来的に増加していく傾向にあります。Ito Thailandは安全な食品社会のための技術開発の一員として邁進していきたいと思います。食品生産プロセスが衛生的なものとなるよう開発を行い、安全性や生産効率を更に上げるためにAIとビデオ映像保存技術を組み合わせます。この他にも、食品産業における衛生に関する技術や生産効率を上げる自動システム、ロボットもあります。コンサルティングやトラブルシューティングサービス、アフターサービスも提供していますのでご興味のある方は、Facebook までお問い合わせください。

References

1.Fracarolli, J. A., Pavarin, F. F. A., Castro, W., & Blasco, J. (2021). Computer vision applied to food and agricultural products. Revista Ciência Agronômica51.

2.Rodríguez-Rodríguez, J. C., Quesada-Arencibia, A., Moreno-Díaz Jr, R., & García, C. R. (2016). A character segmentation proposal for high-speed visual monitoring of expiration codes on beverage cans. Sensors16(4), 527.

3.Kollia, I., Stevenson, J., & Kollias, S. (2021). AI-Enabled Efficient and Safe Food Supply Chain. Electronics10(11), 1223.

4.Yuniarti, A., Kuswardayan, I., Hariadi, R. R., Arifiani, S., & Mursidah, E. (2017, October). Design of integrated latext: Halal detection text using OCR (Optical character recognition) and web service. In 2017 International Seminar on Application for Technology of Information and Communication (iSemantic)(pp. 137-141). IEEE.

5.Ribeiro, F. D. S., Caliva, F., Swainson, M., Gudmundsson, K., Leontidis, G., & Kollias, S. (2018, May). An adaptable deep learning system for optical character verification in retail food packaging. In 2018 IEEE Conference on Evolving and Adaptive Intelligent Systems (EAIS)(pp. 1-8). IEEE.

6.Barbut, S. (2020). Meat industry 4.0: A distant future?. Animal Frontiers10(4), 38-47.

7.Bhale, Y., Agrawal, N., & Kelwa, S. (2021, December). Mask Detection using Computer Vision. In 2021 10th International Conference on System Modeling & Advancement in Research Trends (SMART)(pp. 53-58). IEEE.

8.Evans, E. W., & Redmond, E. C. (2019). Video observation of hand-hygiene compliance in a manufacturer of ready-to-eat pie and pastry products. International Journal of Environmental Health Research29(6), 593-606.

9.Awwad, S., Tarvade, S., Piccardi, M., & Gattas, D. J. (2019). The use of privacy-protected computer vision to measure the quality of healthcare worker hand hygiene. International Journal for Quality in Health Care31(1), 36-42.

10.https://agrexai.com/qsr-video-analytics/

11.Keh, J. J., Cruz, M., Deticio, R., Tan, C. V., Jose, J. A., Dadios, E., & Fillone, A. (2020, December). Video-Based Gender Profiling on Challenging Camera Viewpoint for Restaurant Data Analytics. In 2020 IEEE 12th International Conference on Humanoid, Nanotechnology, Information Technology, Communication and Control, Environment, and Management (HNICEM)(pp. 1-5). IEEE.

12.https://www.sourcesecurity.com/insights/staying-speed-utilising-ai-video-analytics-co-1538138049-1629100806.html

13.Chang, W. J., Schmelzer, M., Kopp, F., Hsu, C. H., Su, J. P., Chen, L. B., & Chen, M. C. (2019, February). A deep learning facial expression recognition based scoring system for restaurants. In 2019 International Conference on Artificial Intelligence in Information and Communication (ICAIIC)(pp. 251-254). IEEE.

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