ITO Thailand Hygiene Blog

Jul 25 2022

Pandemic impact on Food Industry

食品及び容器の安全性

            新型ウイルス感染症とは、2019年末に蔓延が始まり、その後、世界中に拡大し、人命や財産に損害を及ぼしているだけでなく、ソーシャルディスタンス、混雑を防ぐための人数制限等、日常生活も変化を余儀なくされています。中でも最も明確な例は、多数の人と接触するリスクのある食堂やレストランでの外食を避け、アプリを通じたフードデリバリーをよく使うようになったという消費者行動の変化です。しかし、食品や容器からウイルスに感染するのではという懸念もあります。

            実際には、パンデミックは呼吸器系の感染症のため、世界保健機関(World Health Organization; WHO)ではウイルスの付着した食事や飲み物からウイルスに感染し得るという根拠は見出していません(Anelich et al., 2020)。また、胃の中は酸性でウイルスに適した環境ではありません(Food Standards Australia & New Zealand, 2021)。ですので、結論として、食品中のウイルスの汚染によるリスクは非常に低いということができ、Clostridium botulinum, Staphylococcus aureus, Salmonellaといった食品中のバクテリアによるもののような食品を媒介とする疾患(Foodborne disease)ではないということができます。

            しかしながら、テーブルやスプーン・フォークなど食品に触れる物を清潔にすることは大切です。それらは病原菌や様々なウイルスに汚染されていることがあるからです。ウイルスも食品や容器から感染することはなかったとしても、汚染された物や目、口、鼻への接触により感染することがあります。

            これまでのコラムから、食事により発生する疾病の主要因が二次汚染及び食中毒だということはよくお分かりになったと思います。ですから、消費者の安全を第一に正しく調理をする必要があります。また、食品に触れる物への消毒剤の使用には注意を払わなければなりません。化学物質の種類によっては食品への使用が危険であることがあります。現在では、深紫外線(UV-C)の技術を用い、食品の品質を維持できている時点で微生物を低減することもあります。

食品産業への影響

            ウイルスの蔓延では諸国で厳しい国境封鎖対策が取られ、農業分野での労働者の移動も難しくなりました(Aday & Aday, 2020)。そのため、食品輸送が従来より複雑化し、時間を要するようになっています。こうした商品は腐敗する可能性があり、品質や安全に直接影響してきます。そのようなわけで、輸出業者は輸出量や頻度を減らす等の対策を講じています。商品の需要(demand)は変わらないにもかかわらず、供給(supply)が減少していますので、商品価格の上昇傾向が避けられない事態となり、食料安全保障の危機が生じているのです。

食料安全保障の危機

            食料安全保障(Food security)とは、良好な生活と健康のための需要と満足に基づき、物理的・経済的の両面での安全な食料の入手可能性、及び、良好な栄養状態を得られることをいいます(マハンチュートチューウォン、2020)。

            国境封鎖の影響で食品の入手可能性が困難なものとなっているため、パンデミックによる食料安全保障への影響は健康への影響より大きいとする説もあります(Mardones et al., 2020)。特に、低所得者層や企業の閉鎖により収入を失った人々への影響は顕著です(Bisoffi et al., 2021)。たとえば、ウイルスが蔓延したことで、多くの国の政府が子ども達への蔓延を防ぐため、学校閉鎖の対策を講じました。開発途上国や貧困家庭では、学校給食が唯一の栄養価の揃った食事であることもあり(Bisoffi et al., 2021)、給食がなくなってしまうと子ども達の成長に影響してしまうのです。食料安全保障(Food security)と持続可能な食料システム(Food sustainability)については、詳しくはまたの機会にお伝えします。

食品産業の持続可能な問題解決の指針

            パンデミックにより多くの工場が製造休止を余儀なくされましたが、現在、食品工場では自動化システム(Automation)を多く取り入れるようになってきています。その利点は、二次汚染の低減、労働力不足の問題の低減、ヒューマンエラーの低減、事故のリスク低減、人件費コストの低減、製造効率の向上等、非常に多くあります。

            ITO Thailandでは製造ラインの品質を改善する自動化システムをサポートするため、質量検査機、梱包ロボット、パレットチェンジャー等、多様な製品をご提案しています。また、作業者への助言や、衛生関連の意識構築、衛生管理のサービスも総合的に行っております。

Reference

1.Aday, S., & Aday, M. S. (2020). Impact of COVID-19 on the food supply chain. Food Quality and Safety, 4(4), 167–180. https://doi.org/10.1093/fqsafe/fyaa024

2.Anelich, L. E. C. M., Lues, R., Farber, J. M., & Parreira, V. R. (2020). SARS-CoV-2 and Risk to Food Safety. Frontiers in Nutrition, 7. https://doi.org/10.3389/fnut.2020.580551

3.Bisoffi, S., Ahrné, L., Aschemann-Witzel, J., Báldi, A., Cuhls, K., DeClerck, F., Duncan, J., Hansen, H. O., Hudson, R. L., Kohl, J., Ruiz, B., Siebielec, G., Treyer, S., & Brunori, G. (2021). COVID-19 and Sustainable Food Systems: What Should We Learn Before the Next Emergency. Frontiers in Sustainable Food Systems, 5. https://doi.org/10.3389/fsufs.2021.650987

4.Food Standards Australia & New Zealand. (2021, September). Transmission of COVID-19 by food and food packaging. Retrieved May 15, 2022, from https://www.foodstandards.gov.au/consumer/safety/Pages/Can-COVID-19-be-transmitted-by-food-or-food-packaging.aspx

5.Mardones, F. O., Rich, K. M., Boden, L. A., Moreno-Switt, A. I., Caipo, M. L., Zimin-Veselkoff, N., Alateeqi, A.M., & Baltenweck, I. (2020). The COVID-19 Pandemic and Global Food Security. Frontiers in Veterinary Science, 7. https://doi.org/10.3389/fvets.2020.578508

6.World Health Organization. (n.d.-a). Coronavirus. Retrieved May 15, 2022, from https://www.who.int/health-topics/coronavirus  World Health Organization. (n.d.). WHO Coronavirus (COVID-19) Dashboard. Retrieved May 15, 2022, from https://covid19.who.int

7.มหันต์เชิดชูวงศ์, ส. (2020, June 3). ทำไมเราต้องสู้เพื่อ ‘ความมั่นคงทางอาหาร’ ในเวลาวิกฤตและหลังจากนี้. Greenery. Retrieved May 16, 2022, from https://www.greenery.org/articles/insight-foodsecurity/

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