ITO Thailand Hygiene Blog

Jan 16 2023

Preventive Controls for Human Food (PCHF)

            ヒト向け食品に対する予防コントロール: 食品を危害から守るための新たな原則

            食品に危害が発生してからでは手遅れです! まず5分だけ、基本的な「予防コントロールの原則」を学んで、食品を危害から守りましょう。 

            予防コントロールと関連法について

           「ヒト向け食品に対する予防コントロール(Preventive Controls for Human Food : PCHF)」は、アメリカ食品医薬品局(USFDA)の食品安全強化法(Food Safety Modernization Acts : FSMA)(1)  の一部です(すべて読む)。これは、「ヒト向け食品に対する予防コントロールのための食品安全強化法最終規則(FSMA Final Rule for Preventive Controls for Human Food)」(2)  の項目における103条の予防コントロールの一部で、構成は、適正製造規範(Good Manufacturing Practice : GMP)(続きを読む)、危害解析(Hazard analysis)(続きを読む)、及びリスクベースの予防コントロール(Risk-based preventive control)となっています。

            予防コントロールは、発生した問題の解決ではなく「問題発生」の予防を重視することで、食品危害のリスク低減のために適用されます。これは、私たちが衛生的な作業をすること、そして、危害を解析することによって行われます。

            予防コントロールでは何を管理する?

            予防コントロールの設計において、作業方法の記述は、食品の種類、製造工程の性質、その他様々な要因により、組織毎に異なるものとなります。しかし、原則的には、管理の目標毎に、以下の通り予防コントロールの分類をすることができます。

            •製造工程管理(Process control): この管理に含まれるものは、加熱、冷蔵・冷凍、酸度調整、殺菌、乾燥、原材料の保管、異物の分別、食品レシピにおける化学物質の管理、又は、食品を安全なものにするための一切の作業となります。ここでは、パラメータ及び許容限界値を測定可能な数値(たとえば、時間、流量、粘度、湿度、濃度、pH値、寸法等)として明確化しなければならず、様々な場合におけるパラメータを所定の限界範囲内に収めるための管理方法を明示しなければなりません。すなわち、HACCPシステムにおける危害解析及び管理と同様のものとなります。

            •アレルゲンの管理(Food allergen control): アレルゲンも食品安全管理を強化するための一つの問題です。消費者の中には食品中の一部種類のタンパク質にアレルギーがある人がおり、身体に危険なアレルギー症状が起こることがあります(続きを読む)。ここでは、組織は、アレルゲンの二次汚染管理の方法を記述しなければなりません。また、アレルギー症状を起こす可能性のある成分を適切にラベル表示することも含まれます。

            •衛生管理(Sanitation control): 衛生管理とは、清潔な製造環境を実現し、発生可能性のある危害(たとえば、環境からの病原微生物の汚染、二次汚染 [微生物及びアレルゲン]、及び、従業員の作業による危害等)を排除するための方法、作業、規則、又は関連する工程を設計することです。これは、たとえば、建物の計画又は設計、食品製造エリアのリスクレベルの規定、適正な清掃・消毒方法の規定、服装の規定、人体からの汚染の防止策等となります。

            •サプライチェーンの管理(Supply chain control): 現在、商品の問題は往々にして生産者(Supplier)のミスから発生しています。たとえば、汚染や危害のある原材料が発送されてきた場合、そうした原材料を使って製造をすることで、消費者に危害が発生してしまいます。したがって、この点の予防コントロールは、生産者からの原材料や商品の受入の管理を重視するものとなります。すなわち、原材料の生産者が適正製造規範に従っているか、適正な証明書を保有しているか検査する工程がなければなりません。これは、生産者が当該製造基準を維持しているかどうか定期的に検査又は評価することも含まれます。

            •リコールの計画(Recall plan): 消費者への危害拡大を防止するためには、生産者の検査だけでなく、商品のリコールも重要です。したがって、問題が発生した場合の実施手順の計画・記述を行い、消費者を保護するようにしなければなりません

            •発生可能性のある危害を低減又は排除するための上記以外の管理。

            危害の予防コントロールのための実務指針については、まだ案文作成中ですが、こちらで詳細をご覧頂けます。

            ITO Thailandでは、タイ国の食品安全のある社会が持続可能なものとなるよう、食品産業の水準向上に寄与していきたく思っています。清潔・衛生管理にご興味のある方は、こちらよりご相談頂けましたら、個々の組織にぴったりな解決の設計をさせて頂きます。

Reference

1.https://www.fda.gov/food/food-safety-modernization-act-fsma/full-text-food-safety-modernization-act-fsma

2.https://www.fda.gov/food/food-safety-modernization-act-fsma/fsma-final-rule-preventive-controls-human-food

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