ITO Thailand Hygiene Blog

Jul 17 2023

インテリジェントパッケージ

            パッケージのない食品には、日持ちが悪い、物流管理ができない、サプライチェーンシステムが難しい、品質劣化が早い、危険な食中毒菌に汚染されやすいなどの問題が発生します。実際、パッケージが食品に貢献している機能は他にもたくさんあり、スマートパッケージにも多くの種類があります。インテリジェントパッケージは、スマートパッケージの一部と考えられていますので、今回のブログでは、インテリジェントパッケージの食品への貢献についてご紹介します。

インテリジェントパッケージとは?

            他のパッケージンシステム(コネクテッドパッケージ、アクティブパッケージについては、今後のブログで紹介します)(6)と混同しないでいただきたいのですが、インテリジェント食品パッケージは、食品の属性、内部環境、ならびに保管・輸送状況などの感知・監視機能を備えたパッケージの一種です(2)。 インテリジェントパッケージの中には、ナノセンサーなどのナノテクノロジーを応用して状態の変化を検知し、消費者に知らせるものや、カプセル化技術を応用して、センサーやインジケーターなどの耐久性や熱安定性の高い素材を作るものもあります(1)。つまり、インテリジェントパッケージによって食品の属性を検出できるため、消費者は最適な状態で食品を楽しむことができるようになるのです。ただし、インテリジェントパッケージには、アクティブパッケージの際立った特徴である製品属性を向上させたり、内部の変化に「アクティブに」対応したりする能力がないという点には留意する必要があります。

ユニークな特徴と安全な食品機能                   

            インテリジェントパッケージの最もユニークな特徴の一つに、内部環境に応じて変化するラベルがあります。例えば、高価な果物のパッケージには、果物や野菜の熟成を開始し、軟化や劣化を引き起こす主要な植物ホルモンであるエチレンの放出を検知することができる鮮度・熟成度インジケーターが使用されています(5)。また、時間温度インジケーター(TTI)は、食品の品質や安全性に影響を与える可能性のあるあらゆる温度変化に関する保管条件情報を容易に提供し、食品の腐敗につながる可能性のある機械的、化学的、酵素的、微生物的変化を測定する、最もシンプルかつ効率的な方法の一つであることから、インテリジェントパッケージの主要な機能になっています(4)。 市販されているTTIの例としては、モニターマーク、タイムストリップ、鮮度チェック、チェックポイントなどがありますが、これらは、製品が開封されてから、あるいは、好ましくない温度や状態にさらされてからの期間を、消費者に知らせるインテリジェント・ラベルで構成されているため、単一の「使用期限」や「賞味期限」に頼るよりも、はるかに安全性が高いのです(4)。

            鮮度インジケーターの中には、食肉包装システム中のトランスグルタミナーゼやアミンオキシダーゼのレベルから腐敗細菌の増殖レベルを示す生体アミンを、乳酸オキシダーゼやペルオキシダーゼなどの酵素活性から乳酸センサーを、検出できるものがあります(3)。 インテリジェントパッケージの中には、化学反応や酵素変化から食品の品質状態を示唆するガスインジケーターを使用するものがありますが、これは、微生物の腐敗とも関連していることが多いのです(3)。こうしたインジケーターはユーザーフレンドリーで非常にわかりやすいため、消費者は鮮度情報を知ることで、鮮度が悪いなら消費しないという選択を容易にすることができます。時間温度インジケーターはまた、飲食体験の向上に関しても、消費者の利便性を高めています。例えば、ワインの最適な提供温度を知らせるなど、高付加価値製品の最適な提供温度を決定することができ、より多くの消費者の満足が期待できるのです。

            私たちの身の回りにあるほとんどの製品にはバーコードとQRコードがついていますが、その違いは何でしょうか。一般に、バーコードは在庫管理に関連する情報が多く、QRコードは製造バッチやロット番号、栄養情報(3)など、より深い情報を提供しているため、肉製品や果物、野菜など賞味期限の短い製品にQRコードを表示するのはごく一般的なことなのです。

メリットとデメリット             

            インテリジェントパッケージは、食品の安全性や品質を向上させるインジケーターやセンサーなど様々な有益な機能を備え、その結果、食品廃棄物の削減や、より持続可能なフードシステム(サステナビリティ(持続可能性)へリンク)へと進展させることができます。 しかし、消費者は表示された鮮度インジケーターによって「より新鮮な」製品を選ぶ傾向があり、古い食品が売れなくなる可能性があるため、適切な在庫管理が必要であることは言うまでもありません。この問題を回避するには、「先入れ先出し」の原則を導入することが必要です。

            一方で、インテリジェントパッケージはアクティブパッケージとは異なり、食品の品質を向上させたり、劣化を遅らせたりできないことは前述のとおりです。よって、食品の品質や安全性を確保するためには、目視検査やサンプリングなど、他の製品管理システムが必要になってきます。

            食品包装は、食品をより長く、より安全で、より効率的に保管するシステムとして、大きく貢献しています。インテリジェントパッケージは、こうした有益な機能をさらに高い次元で実現しているのです。消費者のみなさまの幸せと食の安全は、ITO Thailandの最優先事項であり、当社の衛生ソリューションと自動化製品で、みなさまのビジネスでもそれは実現可能です。

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参考文献

1.Dalmoro, V., Zimnoch dos Santos, J. H., Pires, M., Simanke, A., Baldino, G. B., & Oliveira, L. (2017). Encapsulation of sensors for intelligent packaging. Food Packaging, 111–145. https://doi.org/10.1016/b978-0-12-804302-8.00004-2

2.Ghoshal, G. (2018). Recent Trends in Active, Smart, and Intelligent Packaging for Food Products. Food Packaging and Preservation, 343–374. https://doi.org/10.1016/b978-0-12-811516-9.00010-5

3.Müller, P., & Schmid, M. (2019). Intelligent Packaging in the Food Sector: A Brief Overview. Foods, 8(1), 16. https://doi.org/10.3390/foods8010016

4.Pavelková, A. (2013). Time temperature indicators as devices intelligent packaging. Acta Universitatis Agriculturae Et Silviculturae Mendelianae Brunensis, 61(1), 245–251. https://doi.org/10.11118/actaun201361010245

5.Pereira de Abreu, D. A., Cruz, J. M., & Paseiro Losada, P. (2012). Active and Intelligent Packaging for the Food Industry. Food Reviews International, 28(2), 146–187. https://doi.org/10.1080/87559129.2011.595022

6.(2022). Smart Packaging vs. Connected Packaging: What’s the Difference? https://touchcode.com/smart-packaging-vs-connected-packaging/

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