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人工甘味料の食品安全面
人工甘味料とは?
砂糖代替品、非栄養性甘味料、高甘味度甘味料としても知られる人工甘味料は、食品や飲料に甘味を加えるために、スクロース(テーブルシュガー)の代わりに利用される人工的に製造された化合物です。通常の砂糖よりも甘味度がかなり高いため、同等の甘味度を得るために必要な人工甘味料はわずか(200~20,000分の1)です。こうした甘味料は、少量しか使用されない場合、カロリーがとるに足らないものであるため、しばしば非栄養性甘味料と呼ばれます(4)。
現在、アメリカ食品医薬品局(USFDA)が食品添加物として認可している人工甘味料は、アスパルテーム、アセスルファム-K(アセスルファムカリウム)、サッカリン、スクラロース、ネオテーム、アドバンテームの6種類のみです。さらに、ステビオール配糖体やモンクフルーツなど、2種類の甘味料を「一般に安全と認められる(GRAS)」甘味料として使用することが可能です (2)。
メリットとデメリット
人工甘味料(3)には以下に挙げるような複数のメリットがあります。
•糖尿病患者にとって有益な選択肢‐人工甘味料は、甘いフレーバーを好む糖尿病患者に貴重な解決策となっています。人工甘味料入り飲料は、普段から清涼飲料水を飲み、砂糖の摂取量を減らしたい人にとって便利な代替品となるのです。
•天然由来(ステビアなど)の人工甘味料‐甘味度がかなり高いため、体重を気にしている人や糖尿病と診断されている人、その他医療上の必要性がある人にとっては魅力的な選択肢となります。それは、カロリーがほぼゼロに近いからです。
•消費カロリーの抑制 – 人工甘味料のほとんどがゼロカロリーであるため、カロリー摂取量を超えるリスクがありません。
•利便性 – キャンディー、焼き菓子、ジャム、ゼリー、乳製品、炭酸飲料など様々な製品、特にベーキング、缶詰、包装に適しています。
•口腔衛生の向上 – 砂糖の過剰摂取は、虫歯につながることが多くあります。砂糖が歯に蓄積されると、細菌の増殖が促進、口腔衛生に問題が生じます。砂糖とは異なり、人工甘味料は口腔内細菌と相互作用しないため、酸を生成したり虫歯の原因となったりすることがないのです。
人工甘味料のデメリット
しかし、人工甘味料のデメリットは、Regoli (5)が論じているとおりです。
•後味の悪さ‐人工甘味料には食品や飲料の味を引き立てるものがありますが、中には摂取したときに酸っぱい後味が残るものもあります。こうした後味は、人によっては、明らかに不快に感じることがあるため、好みの味とカロリー目標を達成するためには、人工甘味料を併用するか、代替製品を選ぶ必要があるかもしれません。
•人工甘味料を選択=糖分を化学化合物(ステビアは除く)で代用‐人工甘味料入り製品に含まれる糖分は、天然物質ではなく化学物質由来のものです。このため、ガンを含む病気のリスクが高まり、脂肪を処理する肝臓の能力が変化することで、神経系の問題やコレステロール値の上昇につながる可能性があると指摘する専門家もいます。人工甘味料の常用は、他の糖分の多い食べ物への欲求を強める可能性があることも、多くの研究で指摘されています。
•体重増加の可能性‐人工甘味料にはカロリーが含まれていないにもかかわらず、甘味と毎日の消費カロリーの数値を結びつけてしまう可能性があります。人工甘味料の摂取は、他の甘いものへの欲求を刺激します。体が十分な栄養を摂取していないと、より多くの食べ物を求め続け、その結果、高カロリーで糖分の多い食べ物を欲するようになります。アスパルテーム、アセスルファム-K、サッカリンは、食欲増進と関連があり、中でもアスパルテームは食欲に最も強い影響を与えます。人工甘味料は、甘いものへの欲求をかき立てる可能性があるため、砂糖や人工甘味料への依存を減らすことが推奨されます(6)。
長期的な健康への影響の可能性 (6)
腸内環境への影響‐体内に吸収されないとはいえ、ノンカロリーの人工甘味料は腸内細菌叢(ヒトの消化管内の微生物)に影響を与え、メタボリックシンドロームにつながる可能性があります。マウスを使った研究では、サッカリン、スクラロース、アスパルテームを摂取すると、サッカリンによる腸内細菌叢の変化により耐糖能異常が生じました。
ガン‐初期の動物実験では、シクラメートとサッカリンの組み合わせと、ガンとの関連が示唆されていました。しかし、FDAの研究では、これらの人工甘味料とヒトのガンとの関連性は認められませんでした。FDAが認可した他の甘味料にも、様々な種類のガンとの関連性を示す証拠はありませんでした。
糖尿病‐非栄養性甘味料はカロリーがわずかで、甘味もほんの少量で済みます。しかし、人工甘味料入り食品を過剰に摂取すると、グルコース代謝に影響を与え、体重増加や2型糖尿病などの合併症を引き起こす可能性があります。
頭痛‐アスパルテームやスクラロースによって頭痛が引き起こされる人もいます。ダイエット飲料に含まれる甘味料の長期使用は、片頭痛とより密接な関係があるようです。
重要なのは、砂糖や天然甘味料が、高血圧、炎症、2型糖尿病など様々な健康問題に関与していることに注意することです(1)。人工甘味料もまた、前述のように、健康への有害な影響に関連しています。よって、消費者は自らの摂取量をよく考える必要があり、公衆衛生分野においても、栄養リテラシーの促進を目指すべきなのです。
参考文献
1.Harvard Health Publishing. (2022). The sweet danger of sugar. Retrieved June 27, 2023, from https://www.health.harvard.edu/heart-health/the-sweet-danger-of-sugar
2.Harvard School of Public Health. (2023). Low-Calorie Sweeteners. Retrieved June 27, 2023, from https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/healthy-drinks/artificial-sweeteners/
3.Jain, S. (2023). Pros and Cons of Artificial Sweeteners Explained. Retrieved June 27, 2023, from https://naturallyyours.in/blogs/blog/pros-and-cons-of-artificial-sweeteners-explained
4.National Cancer Institute. (2023). Artificial Sweeteners and Cancer. Retrieved June 27, 2023, from https://www.cancer.gov/about-cancer/causes-prevention/risk/diet/artificial-sweeteners-fact-sheet#what-are-artificial-sweeteners
5.Regoli, N. (2019). 18 Advantages and Disadvantages of Artificial Sweeteners. Retrieved June 27, 2023, from https://connectusfund.org/7-advantages-and-disadvantages-of-artificial-sweeteners
6.Schiller, R. (2021). The Pros and Cons of Artificial Sweeteners. Retrieved June 27, 2023, from https://www.verywellhealth.com/artificial-sweeteners-5184450
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